『カエさんも立派に日本の外交を支えてるね』


 ラヴァルさんは最後にそんな言葉をくれて、私はとても励まされた。

 エツの行動はもちろん、私の些細な行いも日本の印象をよくすることに繋がるのだ。やっぱり、どこへ行っても思いやりの心は大事にしていきたい。

 早くエツに会って、このことも話したいな。

 空港に着き、そわそわしながら到着ロビーで待つこと十数分。ぞろぞろとやってくる乗客の中に、愛しい彼の姿を見つけた。


「おかえり!」


 目が合ったので破顔して声を上げると、エツもふっと気の緩んだ笑みをこぼす。


「ただいま」


 温かい挨拶とともに、待ち望んでいた彼の腕に抱き寄せられて、安堵と幸せが広がった。

 今こうしていられるのは決して当然のことではない。運命に感謝して、時間が許す限りいつまでも一緒にいよう。