「もしかして、エツって絶叫系苦手?」
「苦手じゃないが乗りたくない」
「苦手なんじゃん!」
ポーカーフェイスのまま頑なに動こうとしない彼にツッコみ、笑い声を上げた。
絶叫マシンが苦手だったなんて知らなかった。涼しい顔して余裕で乗っていそうなのに、このギャップもたまらなく母性本能をくすぐられる。
エツの新たな一面を知れて嬉しい。が、あまりからかうと今度は私が苦手なお化け屋敷に連れていかれそうなので、無理強いせず絶叫系は避けることにしよう。
それからも気ままにアトラクションを回り、お腹が空いたところでパーク内のレストランに入った。
ランチを食べてから彼がお手洗いに向かい、私はスマホを取り出して今日撮った写真をニンマリと眺めていた、その時。
「ふたり、いい感じじゃん~」
「ラブラブですね!」
聞き慣れた声が耳に入ってバッと振り仰ぐと、テーブルの横にひと組のカップルが立っていた。私は驚愕して身体を引き、これでもかと目を見開く。
「ええっ!? 祥、棗ちゃん、なんで!?」
そう、まさかの弟カップルがいたのだ。同じTシャツを着た、示し合わせたようなおそろいコーデで見るからに仲睦まじい。



