S系外交官は元許嫁を甘くじっくり娶り落とす


 でも、確実に関係は変わってきている。両家で顔を合わせた今日が、その大きな一歩になったのだ。それは間違いなくエツのおかげ。

 なにはともあれ、私たちが堂々と付き合えるようになったことが嬉しい。急に皆の前で親密にはできないが、これから徐々に〝惹かれ合っている感〟を出していこう。

 心穏やかにぼんやりと今後のことを考えていると、エツがネクタイを緩めながら問いかける。


「それで、俺の嫁になる覚悟だけじゃなくて、こっちの覚悟もできたのか?」
「こっち?」


 彼は首元がルーズになったセクシーな状態でこちらに近づき、ソファにもたれる私の横におもむろに手をつく。


「この間の続き、していいか?ってこと」


 どっくん、と急激に心臓が大きく動く。彼の瞳にはすでに燃えるような情熱が宿っているように見えて、もう逃れられる気がしない。

 ……いや、私も逃げる気はない。この間は両想いになれただけで十分だったのに、今はもっと愛されたいと願っている。つまり、私も欲情しているのだ。

 羞恥心と緊張でいっぱいになりながらも、意を決してこくりと頷く。