「俺も、ひぐれ屋さんがかつての勢いを取り戻すためには新しい手段、石動グループの力が必要だと思います。宿泊客が減っているのはなにが原因か、花詠はわかっているよな?」
エツが急に私に話を振ってきたのでギョッとした。皆の視線がこちらに集まり、変な汗が滲む。
いきなり無茶振りはやめてほしい……が、この際言いたいことを言ってしまおう。エツはきっとそうしてほしくて私に聞いたのだろうから。
「……私は、時代遅れなんだと思う」
姿勢を正し、思い切って言った。母が嗜めるように「花詠」と呼ぶけれど関係ない。
「ひぐれ屋は歴史のある宿だからって、ずっと同じことを続けるのに執着して時代の変化についていけてない。もっとネットを使って宣伝したり、予約方法を変えたりしないと集客はできないよ」
家族の中だけでこの話をしても取り合ってもらえなかった。でも、石動家もいる今ならなにか変わるかもしれない。その証拠に、お父様たちは私の意見に賛同するように小さく頷いている。
さらに、私の隣に座る祥が口を開く。
「俺も姉ちゃんに一票。ていうか、前からそう言ってるのに父さんが聞く耳持たないのがいけない」



