やんややんや言いながら大広間に移動し、仲居さんに協力してもらって料理の準備が整うと、形式的に父が簡単な挨拶をして食事を始めた。
エツのご両親は、前菜の蓬豆腐や粽寿司を口へ運ぶと、笑顔で「うん、美味しい」と褒めてくれた。ただ、両親にではなく私や祥に顔を向けていたが。
おふたりはいいものはいいと素直に褒め、悪いところははっきりダメ出しするアメリカンタイプの人たち。エツの遠慮のなさも似ていると思うし、私は彼らの性格は嫌いではない。
逆に、私の両親は頭が硬くてとても古風なタイプなので、元から合わないのかもしれない。
が、先ほどの言い合いを見ていると、どうにかすれば〝ケンカするほど仲がいい〟と言えるような関係になれるんじゃないかとも思う。昔は友好的だったわけだし。
食事しながら思案していた時、くいっと日本酒を呷ったエツのお父様が口を開く。
「それで、ひぐれ屋はついに私たちの力を借りたくなるほど経営難に陥ったのか?」
本題に入った感じがして、一瞬で場の空気がピリッと張り詰めた。皆の箸が一旦止まり、父がなんと返すのかに注目する。



