ゴールデンウィーク最終日の日曜である今日、エツの働きで石動家と暮泉家の食事会が開かれることになった。どうやって実現させたのかというと……。
私はエツに言われた通り、両親に『ひぐれ屋にラヴァルさんが来た話をエツがご両親にしたら興味を持ったらしくて、ぜひ今のひぐれ屋を訪問したいって』と伝えた。本当に訪問したいと言っているかどうかはわからないが。
ふたりは最初は渋った様子を見せていたものの、まんざらでもなかったようで、少し説得を続けたら招待しようじゃないかと乗り気になってくれた。たぶん、少なからず自慢したい気持ちがあるんだろう。
逆に石動家には『暮泉家が石動グループの経営戦略を事業の参考にしたいそうだ』と伝えたらしい。ウチは一切そんなこと言っていないのに。
彼らもそれなら教えてやろうじゃないかと、ひぐれ屋に来ることを約束してくれた。エツの〝とりあえずお互い下手に出させよう作戦〟は、ひとまず成功したというわけだ。
例年に比べて宿泊客が少ない連休を終え、すべてのお客様がチェックアウトした後、特別に会席料理を大広間に用意している。
約束の十二時、石動家の四人がやってきて、私たちも総出で出迎えた。



