──兄から話を聞いてひとつの案を思いついた俺は、ラヴァルさんの一件が無事終わったらある計画を実行しようと決めた。
ラヴァルさんが来日したのは、実家で過ごした日の五日後。プライベートとはいえSPを引き連れた彼の周囲にはただならぬ雰囲気が漂っているが、本人はいたってのほほんとしている。
これがひぐれ屋にとってプラスになればいい。そんな前向きな気持ちで彼を宿まで案内したのはよかったものの、ここで予想外の事態が発生した。
「カエさん。あなたはとても美しいですね。笑顔が桜のようだ」
そう言って花詠に熱視線を向けるラヴァルさんを見た時、これは危ないと直感した。
彼は軽い気持ちで誰にでも甘いセリフを吐くような男ではない。だからこそ、花詠と会わせても問題ないと思っていた。
なのに、部屋に食事を持ってきた彼女と話をしている最中も、明らかに普段とは違うとろけた表情をしていたので、危機感は増すばかり。まさかひと目惚れしてしまうとは……と、頭を抱えたくなった。
彼女は当然気づいていないだろうし、照れた笑みを浮かべるのを見ていると無性にいら立ってしまう。それをなんとか抑えて談笑していた時、俺について彼女は言う。



