特に親父さんに会うと学生時代の一件を思い出し、どうしても対抗心に似たものが湧いてくる。もうおとなしく言うことを聞く子供ではないということをわかってもらうためにも、遠慮なく物申すことにした。
本当は早く花詠に想いを伝えたい。だがその前に、外堀を埋めておこうと考えている。
両親たちの不仲を解消すれば、大きな障害がひとつ無くなる。そのためには、事業を絡めてもう一度協力関係を作るのが最善策ではないだろうか。俺も家族に会って、石動グループの近況を詳しく調べてみよう。
俺が本省に戻ると母に連絡した時から、数年ぶりに家族全員で集まろうという話になっている。この機会に聞く他ないと思い、帰国から一週間後に実行する運びとなった。
海外が好きな両親のおかげで、実家はアメリカの西海岸風の邸宅だ。ラップサイディングという白い外壁、広々としたウッドデッキに大きな屋根がついたカバードポーチが目を引く。
芝生を通って懐かしい玄関に入ると、まず母が出迎えてくれた。満面の笑みでハグしてくるのも、海外生活の影響である。
「おかえり、悦斗! あ~生きててよかった~」
「大袈裟だな」
軽くハグをして呆れにも似た笑いをこぼすと、母はほんの少し真面目な顔になって言う。



