きみがいる、この世界で。


翌日、カーテンの隙間から差し込んだ自然光の明るさで目が覚める。枕元に置いているスマートフォンで時間を確認すると、一限目が既に始まっている時間で、慌ててベッドから飛び降りてリビングへ向かう。

「あら、おはよう、じゃなくて、おそよう」

洗濯物を干していたお母さんはニヤッと笑う。

「よく眠れた?」

「うん、というか、目覚ましかけずに寝ちゃった。これじゃ遅刻……」

「あら、もう学校にはお休みの連絡いれておいたわよ」

あっけらかんとお母さんは言うと「朝ごはん、パンも食べる?」とキッチンへ移動する。

「うん……」

そうか。行かなくてもいいのか……。

なんだか気が抜けて、意味もなくぼんやりと動き回るお母さんを眺めていると、目が合う。

「どうしたの?」

「いや、何もない……」

「そう?」

お母さんは焼き上がったばかりのトーストと、冷蔵庫からお母さん特製のヨーグルトとパイナップルを持ってきてくれた。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

久しぶりに食べたお母さん特製のヨーグルトは、市販のものよりも酸味が少ない分甘い。私の好きな味だった。