「あの人来なくなっちゃったねー」


 と、鏡子がつぶやく、しのりさんが

 来なくなったらアイムズコーヒーは
 急に静かになってきた。

しのりが関係しているのではなくまたしても
感染症の波がやってきたのだ。
 ななみは
「またお客さん閑古鳥になるわね、
 しのりさん単独の売り上げでもうちの店は繁盛してたけど、あの人ほんとサクラになってたね笑」

「ははは」! 
と笑みが溢れる。
 
おやつの時間帯でこの客の入りは確かに泣けてくる。
しのりさん来てくれないかな!
 
どこいったんだろうね、?
 
喫茶店の場合、お客さんの顔は皆覚えるので定期的に来ている人がいなくなると
 寂しくなるものだ。
 それでもコロナ禍でも
 アイムズコーヒーの売り上げを落とさないようにななみと鏡子は特別メニューを
 残業中に考えることにした。
「夏だからさーレモネードソーダとか
 いいんじゃない?」

 
「だよね、それいいね、しのりさんあたりに
 窓側で美味しそうに飲んでもらって、
 お客さん来てもらうみたいなー」


「鏡子我ながら名案なり」
 夏限定メニューも完成して
 夏が続くまでアイムズコーヒーを盛り上げるよ。さあななみ、後遺症なんていってられないわよ!
 
がんばらなくちゃ!