ふう……


焙煎するにしてもアシスタントが
いないと重労働だな、

コーヒー豆や水を運ぶのも老いた肉体にすると
疲れてくる。

そんな意識の愚痴が思い浮かぶということは
俺はまだまだコーヒーマイスターになり切れて
ないということか。

つくづく修行不足だな。

朝の1番にまず先んじて水出しコーヒーを
味見してみるか。

朝の豆のチェックだ。

朝と、昼と
このような寒い季節だと品質が変わる
そうなると淹れかたも状況に応じて変わって
くるというわけだ。

また朝の場合、エスプレッソがあるように
キリっと眠気を醒ます水出しが好まれる。

その朝に作った水出しを一日中冷蔵庫で冷やして
一晩置く

すると最高に熟成された

完全なるアイス水出しコーヒーが完成する!!



ボトルに入った水出しコーヒーを
ワインを注ぐように注いでいく
ハニーシロップを入れて
かき混ぜ

ひとくちいただく

今日の水出しコーヒーは抜群に冴え渡っている
ではないか。
冬の寒さで引き締まった深い香りのフルーティーさがなんとも言えない。

♪ピロリロリーン

ん?

この時間帯に、デリバリー、

またアシスタント君かな?

内容はアイスの水出しラージサイズ。。


永次コーヒーのデリバリー注文は
しのりくん以外あまりない。
その証拠にLINEメッセージが届いていた。

「店長、毎日仕事行けずに済みません。
コーヒーの豆の剪定の内職順調です。
今日は水出しコーヒー注文させていただきました。
復帰目指して頑張ります」

やれやれ
ロングコビッドも恐ろしいな、
内職はできるのだけど、
一歩外に出たり、立ち仕事、移動ができない
病気とは。
無理はさせたくないが
一歩頑張って仕事してみたら復帰できると
思うが、それは俺みたいな
元気がある側の人間の言う言葉か。。
やはりロングコビッドは当事者しか
心境はわからないのだろう。

メッセージ付けて
永次水出しコーヒーの完成。

一番煎りたてコーヒーを注文するとは
しのりくんもわかっているじゃないか。

さて配達員はまだかな?