花火大会の当日の夕暮れ、何か生暖かい湿り気のある空気が漂い、日中の暑さで汗ばんだ僕はすでにばてばてで早く休憩を取りたかった。それにしても今日は良く売れる。スペシャルな水出しコーヒーと
ソフトクリームの最高の組み合わせ。
僕はどうやらソフトクリームの作り方に関してはその道のプロになれそうだ。
いったい何個の
ソフトクリームお客さんに届けてか
あまりはっきりと記憶にないくらいだ。

僕は大きくため息をついた。
まわりはカップルや若い人たちで溢れ、
こどもや学生も多い。いろんな声が飛び交い少々疲れてきた。
空の雲の流れが早くところどころ紅く染まっている。夕暮れどき、お腹もすいたし、
店終い前に少し休憩をとろう!

幸い今の時間帯は人の流れは落ち着いている。

ん、ん、なんか金庫が

気になる、
鍵をしめて席を外して.....

「こんにちは〜〜!!ソフトクリームください!」
わ....びっくりした。
「え?、、ああ....はい」

そこには凛として私の表情に眼差しで見つめる
小学生の女の子がいた。

「一個でいいのかな?」

うん「先に250円渡します」
挨拶できる丁寧な子だ。
「ああ、まいどあり」

僕はソフトクリームを作り始めた。特別に
スペシャルなのを届けようと意気込んだ。

「ねえ、お兄ちゃん、きょうはいつも一緒のお姉さんいないの?さっきまで一緒にいたじゃん」

「?え、僕は今日はずっとひとりだよ?」

私はソフトクリームにバニラビーンズを
ふりかけて手渡した。

「はい、どうぞ 気をつけて食べてね」

女の子はソフトクリームを手に持つと
こちらを上目遣いで眺め....

「お兄さん、絶対、お姉さんと働いていた。
私を信じてね♡
ありがとう お兄さん」
と彼女はいって去っていった。



いまの女の子、ななみさんのお子さん?

    ではなくてもななみさんの子供の

姿が僕の前に現れたのかな、

   とても意味深なことを呟いていた。

子供は正直だから.....嬉しい気もする。



爽やか風がそよぎ気温も落ちてきた。
     店を少し回ってみたら
         おもしろいだろうな。