私はじーんと本の内容を思い出しては
     内省し、うつむく。

今日はなんという一日だろう。得られた情報が
      整理しきれない。

後ろに椅子があったので
もたれかかるように座った。

しかしそのとき
急にウイルス後遺症の症状がきて頭が真っ白になってきた。
それもそうである。
慣れない情報があまりに多すぎて 幸せすぎて
頭がブレインフォグ状態!

というよりダルい、

サキさんとゆっくり話しをしたい。
頑張って
なんとか進もう。

遠くから静けさに包まれた古書たちの間から響く
ヒールの音、「あ、サキさんだ」

「あらあら ななみさん 頭パンパンな
顔してるわね 探し物が見つかりすぎて     ショック受けたのかな
さあ肩貸すわよ。ゆっくりね、」

サキは背が高くヒールを履いている。
肩というより腰をつかんでしまった。
腰は服の上からも細く、大きなお尻に置く形に
なり やや恥ずかしい。

「ゆっくり、ゆっくり、
さぁここに座って。エアコン効かすわ」

私は意識が遠くなるほどぼーってしている。
さすがに無理しすぎたな。


サキが奥の流しで作業をしている。
何か、飲み物の準備をしているようだ。


『サキさん、初対面なのに、あなたとは
            きっと古書の通り

どこかで出会っていたのかもしれませんね、

       それも縁なのでしょうか?』


サキが準備した飲み物が完成したようだ。

「ななみさん お昼ご飯は?」

「いーえ、コーヒーしか飲んでないわ」

「それは 疲れるわよ 私がデリバリーした
お昼 あなたにあげるわ

ちょうど2人ぶん頼んでいたのよ、

  2人でお茶しましょう?」

えっサキさん、優しい この人もしかして
神かな?歳上と思うけど私の人生は
この方らしく生き、この方にアドバイスをいただき
人生を進めるべきなのかも!サキさん♡

えっええ〜!!!これは

「アイムズコーヒーのパンケーキとグランデの
アイスコーヒー、
そして 彼女が缶のソーダを入れてレモンシュガーを入れて作ってたのはアイスレモネードソーダ」

サキさんあなた あなたはいったい 何者?
       私の心をどうして知ってるの?

「サキさん質問していいですか?

あなたはいったいどういう人ですか、

    なぜ全てがわかるのですか?
          ちょっと不気味」


「そんなに怖がらないで    私は
      こう見えて罪があるの
あなたと同じ、
恋に愛に 男に欲に そしてお金に
溺れた、半生。   気軽に一夜を共にしたことも

限りなく多く、私の身体は利用されて
     お金だけ見えたとき
        自分が見えない、、やがて

恋も愛も探せなくなった。

あなた先ほどヌード写真集見てたけど
あの本は私自身なの。

私の女性である大切なものは価値として
    いつの間にか   なくなりつつあった。

そんなとき私は一杯のコーヒーに出会ったのよ。

私はあまりにもボロボロだった。病も抱え、
そこへ
避難するようにあるコーヒーショップで
   コーヒーを頼んだ。

    いっぱいのホットコーヒーに

私は静かに肩を下ろし、思うままに涙を流した。

私はさんざん男たちに貢がれた仕事で生きてきたけど

たったいっぱいのコーヒーは
そんな私の人生より濃くまろやかで深みがあり、

プライスレスの温かさに私は癒された。

私の人生はそこで終わりを告げ

新しいサキという人生が始まったの。




『困っているのなら本を読んでみてはいかが
            でしょうか?』

     彼女はそう言い、
   美しい所作でおかわりを淹れてくれたわ
         
いっぱいのコーヒーと彼女は          こんな私を救ってくれたの...,


学識や教養、を学ぶ形で
私は全ての蔵書を読み、店主となった。

     そんなところよ  サキの人生は」


サキさん、サキ、

ん?

日本語で先、?

「そう、私は道案内人のサキ

私のような黒い歴史を繰り返してほしくないため

ひとりの女性として気高く、気品があり、
正しく、凛として真っ直ぐ生きてほしい。

困難がきても乗りこえることが
            できますよう」

サキの半生とななみの半生は
対称的だが困難を乗り越えたことは
一致する。
さまざまな困難、病気、異性、
      わたしたちは乗り越えて
人生勉強を何度も繰り返しているのだろう。

チートキャラに、ある日突然レベル1にされる
こともある。



それも通り越して
     わたしたちは疲れているんだ。
私もサキさんのようにレベル1、ドン底でも
アイムズコーヒーで人に幸せを与えられるような
コーヒーを淹れ続けたい.........


サキさんとお昼をともにして
     わたしたちは誓った。

会いたいときは強く願うすると
    彼女から会いにくるよと
         サキは 言っていた。
    

「ありがとうななみさん どこかで会えるのを

楽しみにしているわ☆」

「こちらこそサキさん
       新しい友人に感謝します、、」

私は優しい彼女の瞳に、手を振り
        本当にありがとう と
店を後にした。

辺りは静まりかえり夕暮れどきを迎えている。
暑い、一番暑さの厳しい時間帯だなぁ

私は歩く方向を考える。

大鶴公園or自宅

私はシュレーディンガーの猫が頭をよぎる。