『あ、環奈ー?今彼氏とデッズニー来てるんだけどさ、もしかして環奈も来てる?
さっき並んでたアトラクションの列で、環奈の彼氏見かけたの!横にいた女の子の顔がよく見えなかったんだけど、環奈だよね?』

部屋着のまま、昼過ぎまで惰眠を貪り、朝昼兼のカップ麺をすすり、デザートのプリンを開けたばかりのわたしは、プラスチックの使い捨てスプーンを噛み締めて笑顔で答えた。

「え、知らない♡」

『え!?ちょ、ちょっと待って環奈..』
「のんちゃん、詳細レポ、デート終わってからでいいしまたLINEしといてね♡」
『ご、ごめん環奈余計な...』
「ううんいいの、いつものこと♡」

「いつものこと♡」を割と強めに伝えて、デートの邪魔しちゃ悪いからそのまま電話を切る。

...はい、また浮気確定ー。

ボサボサの頭のままドサっとベッドに倒れ込み、死んだ目を天井に向けた。

...おかしいと思ったんだよね。
前々から予約してたデッズニー旅行、いきなり風邪で行けなくなったとかさ。

楽しみにしてたけど風邪なら仕方ないって諦めて、俺がキャンセルしとくしって言葉信じて任せたのに、それなのに...