//魔法学校の生徒会室
 ジークリートは、自分が転生する前のことを思い出していた。
転生する前、ジークリートは、とある王国の第3王子だった。彼には、年下の婚約者がいたが、その婚約者は、16歳の若さで亡くなってしまった。その後、ジークリートは、王子であるがゆえに、何人も新たな婚約を薦められたが、結婚しなかった。彼は、将来独身を貫いたのだった。周囲は、婚約者が亡くなり、しばらく経った時から、婚約を薦めるようになったのだが、頑なに断るジークリートを見て、諦めたのだった。幸い、第3王子であったジークリートは、王国を継ぐわけではなかったので、彼が結婚しなくても別に問題はなかった。
 ジークリートは、決められた婚約者ではあったが、幼馴染で2歳年下の婚約者のことが大好きだった。だから、他の女性と結婚する気にならなかったのである。