エイラとの別離から8ヶ月が過ぎ、卒業式の真っ最中である今、僕は上の空だ。

あれからというもの、僕は変わった。

エイラと再会した暁には、体の弱い彼女を支えたいと思い、医療従事者になる決意をしたのだ。

高3の夏休みから受験勉強を始めるなんて、あまりに遅すぎると誰もが思うだろうけれど、両親には家庭教師をつけてくれと頼みこみ、毎日必死で勉強し続けた。

保健室ではなく、教室に行くようにもなったが、相変わらず教室は、受験のための勉強をするような雰囲気などゼロだったので、耳栓をして授業中も自習の日々。

死に物狂いとは、まさにこのようなことだと初めて知ったものだ。

そして、奇跡的に地元大学の薬学部に合格することができた。

このことを、早くエイラに報告したい。