保健室の前で暫くぼんやりしていたが、ダメ元で戸を叩いてみた。

ガラリと戸が開き、養護教諭らしからぬ厚化粧の松本先生が顔を出す。

「あ、宇都宮くん…どうしたの?」

他の教師同様、少し困ったような顔で僕のことを見ている。

「体調が悪いので、休ませてもらえますか?」

さっきの奴みたいに追い出されるかと思ったが、

「わかったわ…入りなさい」

へぇ…。

あんなに厳しい松本先生がサボってもいいなんて、僕はやはり学校中から同情されているということか。

ベッドに横たわり、白い天井を見つめながら、あれこれ思う。