空には満天の星々。


 煌々と照る月。


 夜風が吹き抜けるベランダ。


 横にはキミがいる。


「あのさ、」


 私は隣の彼に話しかけた。


「なに」


 2人とも夜空から目を離さずに言葉を交わす。


「ちょっと変なこと聞いてもいい?」


「…なに」


 私の言った"変なこと"の内容を考えたのか、少し間を開けてそう答えた。


「もし…、もし私たち以外の全員がさ。ゾンビになってしまったら、どうする?」