それでもそんな君が好き

「……じゃあさ、家まで送る」
「え?」
「から、ちょっと話したい」


思ってもみなかった申し出に目を見開く。

嬉しい。
まさか桐谷くんもそう思ってくれているとは思わなかった。

えへへ、と笑いながらいつものように彼の隣に座る。


「ありがとう、私も話したいなって思ってたんだ」
「その割には帰ってくんの遅かったけど」


まるですねた言い方に、なんだかかわいいと思ってしまう。

……もしかして待っててくれたんだろうか。
……こんな時間まで?

気になるけれど、聞いて違ったら恥ずかしい。


「にゃー」


結局なにも聞けず無言になっていると、しいちゃんが近くに来て鳴いた。

おかえりって言ってくれているのだろうか。
いや、きっと違うのだろうけれど、それでも。


「ただいま、しいちゃん」
「にゃあ」
「文化祭、なんとか無事に終わったよ」


いつものように報告すると、しいちゃんは私たちとは違う方向を向いて座る。

興味なんてないんだろうなと思うけれど、それでも近くにいてくれるのが嬉しい。