それでもそんな君が好き

すると瑠々ちゃんが優しい表情で私の後ろを指さした。


「王子様が待ってるよ」
「え?」


どういうことかと振り向くと、そこには桐谷くんがいた。
ぱちっと目が合ってドキッとする。

視線を前に戻すと、瑠々ちゃんは笑顔で手を振りすぐに行ってしまう。


……ふたりきりになってしまった。


ドキドキしながら振り向いて、桐谷くんのそばへ寄る。


「……待っててくれたの?」
「……まあ、心配だったし」


そう話す彼は少し居心地が悪そうだ。
どうしてかはわからない。
だけどそれでもいいんだ。
だって、私がすることはもう決まっているから。


「桐谷くん、助けてくれて本当にありがとう」


嘘偽りのない言葉で、表情で、微笑みかける。
すると桐谷くんは少し目を見開いて、そして嬉しそうに笑った。


「どーいたしまして」