それでもそんな君が好き

「きゃーっ! うちらの劇最高だったよね!」
「みんなお疲れー!」
「片づけは明日ね、観客席行くよー」


劇を終えて舞台袖に行くと、みんなの解放された熱がすごかった。
はしゃいでいる子もいれば疲れたとぐったりしている子もいる。

このあと文化祭のエンディングが始まるから、急いで席に戻らないと。
衣装を着替えようと思ったとき、突然誰かにぎゅっと抱きしめられる。


「わ!?」
「結衣! ほんとお疲れ様!」


そう言ってくれたのはひまわりちゃんだった。
顔は見えないけれど、きっと心配してくれたんだろう。


「ありがとう、ひまわりちゃんもお疲れ様」


ぎゅっと抱きしめ返すと、一緒に来てくれたであろう七瀬ちゃんと瑠々ちゃんが目に入る。
えへへと微笑むと、頭をぽんと優しく撫でられた。


「頑張ったね」

「最後どうなるかと思ったけど、さすがゆいぴーだよ~!」

「ううん、桐谷くんとみんなのおかげだよ。心配かけちゃってごめんね」


謝ると私を抱きしめる力がぎゅうっと強くなる。
驚いてぽんぽんとひまわりちゃんの肩を叩くけど、力が余計に増す一方だった。


「謝らなくていいのー! 友だち心配するの当たり前じゃん!」


力は強いけれど、言葉は優しい。
ひまわりちゃんの優しさに触れて嬉しくなって、思わず口角が上がる。


「じゃ、今はこれくらいにしてそろそろ着替えよっか」
「うー! あとでいっぱい話そうね、結衣!」


私もまだまだ話したいけれど、そろそろ先生に怒られそうだ。
名残惜しい気持ちにふたをして、笑顔で手を振る。