「優しいね、天使だねって、今日も言われたよ。嬉しいけど、それって私じゃない私への褒め言葉だなって思っちゃうの。なーんて、そんな風に言うなら全部さらけ出せよ~って、しいちゃんもきっと思ってるよね。私も思ってる、わかってる……だけどできないの」
撫でる手を止めると、しいちゃんがこっちを向いた。
それが嬉しいのに虚しくって。
「……本当の私のことを好きになってくれる人なんているのかなあ」
気づいたときには身動きもできないくらいに膨らんだ不安をぽつりとこぼす。
するとしいちゃんが私の手から離れ、ガレージの奥の方を見つめた。
「……どうしたの? もしかしてご飯が置いてある、と、か……」
不思議に思って、しいちゃんの視線の先を立って確認する。
すると思わずひゅっと息を呑んだ。
だってそこには人がいたから。
「……桐谷、くん?」
「あー……そうだけど」
ソファーの上で、ばつが悪そうに頭をかきながら彼は返事をした。
全く気付かなかった。
ガレージの奥の方は光があまり当たらなくて暗いし、ソファーの手前には自転車が停まってて死角になっているし、そもそも人が寝ているなんて考えないし。
撫でる手を止めると、しいちゃんがこっちを向いた。
それが嬉しいのに虚しくって。
「……本当の私のことを好きになってくれる人なんているのかなあ」
気づいたときには身動きもできないくらいに膨らんだ不安をぽつりとこぼす。
するとしいちゃんが私の手から離れ、ガレージの奥の方を見つめた。
「……どうしたの? もしかしてご飯が置いてある、と、か……」
不思議に思って、しいちゃんの視線の先を立って確認する。
すると思わずひゅっと息を呑んだ。
だってそこには人がいたから。
「……桐谷、くん?」
「あー……そうだけど」
ソファーの上で、ばつが悪そうに頭をかきながら彼は返事をした。
全く気付かなかった。
ガレージの奥の方は光があまり当たらなくて暗いし、ソファーの手前には自転車が停まってて死角になっているし、そもそも人が寝ているなんて考えないし。



