それでもそんな君が好き

心を奮い立たせて、ご飯を食べようと座った母の前に同じように座る。

母親は不思議そうにこちらを見た。
その視線にドキドキして、のどが渇く。

文化祭に誘う。
たったこれだけ。
ちっぽけなことなのに、こんなにも。


……ああもう、やっぱり。


いつものように逃げ出そうとして、ふとテーブルの上にあるコースターに目がとまる。


……ちがう。
ちっぽけだとしても、ちっぽけなんかじゃない。

少なくとも私にとってはそうで、それを私自身が否定してしまってはダメなのだ。


変わりたい。
変えたい。
自分を。
母との関係を。


小さく息を吸って、母の目を見た。


「あのね、文化祭で劇するんだけど、見に来てほしいの」
「劇?」


母親はぱちぱちと瞬きをして――


ふふっと嬉しそうに笑った。