それでもそんな君が好き

「それよりもさあ、ほら瑠々たちはどう!? かわいい?」


瑠々ちゃんはその場でくるりと回ってかわいく決めポーズする。
スカートは広がらないけれど、髪の毛がひらりと舞って綺麗だった。

ドキドキする私に対して桐谷くんの表情は変わらない。


「かわいいんじゃね」


告げた一言も温度を感じずなんだか雑だった。
瑠々ちゃんは当然みけんにしわを寄せる。


「ちょっと! ゆいぴーのときと全然違うじゃん~! 心がこもってない!」
「そんなんじゃモテないよー!」
「うるせーな」


瑠々ちゃんとひまわりちゃんの言葉をもろともせず、桐谷くんはうっとうしそうに言葉を吐く。
そんなやりとりが面白かったのか、男子が次々に桐谷くんに声をかける。


「なあなあ、オレはどう!?」
「桐谷ー、俺は?」
「智明くんっ、あたしかわいい?」


桐谷くんは途中まで「ハイハイ」と流していたけれど、裏声でかわいく話し始めた男子を見て笑い出した。

あっちでもこっちでもわいわいと楽しそうな声が聞こえる中、トントンと肩を叩かれる。
振り返るとそこには衣装係の子がいた。


「結衣ちゃん、申し訳ないんだけど、あと2着ある衣装も着てもらっていい?」

「うん、もちろん」

「ありがとう! 智明くんは盛り上がってるからあとでいっか」