それでもそんな君が好き

「それで桐谷くんはどうしてここに? さっきのセリフ的に結衣ちゃんに会いに来たとか?」

「あ、相田くんっ……!」


そんなことを聞かないでほしいと止めるが彼はもちろん止まらない。

肯定なら嬉しいが、否定なら悲しくて辛くなる。
期待なんてしたくないのにしてしまう。

ああもう。
どうしていちばん厄介な人に私の好きな人がバレてしまったんだろう。

いろいろな感情が洗濯機のようにぐるぐると回る中、自分がどうにかしないといけないと奮い立たせる。


「あの、相田くん――」


トントン、と呼びかけるために触れた手は、すぐに別の手によって離されてしまい驚く。


「そうだけど」
「えっ」


凛とした声が告げたのは肯定の言葉だった。


「へえ、結衣ちゃんと桐谷くんって仲いいんだね。意外だなあ」
「そうかもな。でも俺たち幼なじみだから」
「えっ」


今度は私と相田くんの声が重なった。
桐谷くんがわざわざそんなことを話したことに驚く。

いや、それ以前にどうして彼がこんなにけんか腰な態度なのかということについてもだ。

相田くんとは仲が悪いのだろうか。
でもそう考えるにしては、相田くんは桐谷くんと話すのが楽しそうだ。