それでもそんな君が好き

「は? お前らなにしてんの」


あっさり見つかってしまった。

まさかしいちゃんも敵側だったとは。
いや、しいちゃんにはそんな意図はなかったと思うけれど。


「どーも、こんばんは。桐谷くん?」
「こんばんはじゃねえよ。俺はなにしてたかって聞いてんだけど」


私の手から簡単に逃れた相田くんはにこりと笑い、対して桐谷くんは眉間にしわを寄せて怒っている。

……ああもう、最悪だ。

どうしようと考えている間にふたりの話は進んでいく。


「ただ大事な話してただけだよ。それよりなんで桐谷くんがここに?」

「は? それはこっちのセリフだわ。なんで相田がいんだよ」

「オレは結衣ちゃんの忘れ物を届けに来たんだ~」

「忘れ物?」

「そう、文化祭の台本をね。オレたちバイト先一緒だから」


ね? とにこにこ微笑む相田くん。
は? マジかよとでも言いたそうな表情の桐谷くん。

そんなふたりの圧にけおされながら、こくりと頷いた。
反応が怖くて顔を上げることができない。