それでもそんな君が好き

「もしかして推薦?」

「え、そうだけど……どうしてわかったの?」

「結衣ちゃん、自分から舞台に立ちたいって言わなそうだなって」


それはいったいどういう意味なんだろう……
いい意味なのか悪い意味なのか、相田くんの表情と口調ではわからなくて「あはは……」とこぼすことしかできない。


「ちなみに王子様は誰がするの?」

「桐谷くんだよ」

「へえ。キラキラした王子様って感じはしないけど、劇は面白くなりそうだね」


なんだかナチュラルに桐谷くんをけなしている気がする……
彼にはそういったつもりがないのかもしれないけれど、相田くん相手にツッコむ勇気はまだなくて他愛もない言葉を返す。

桐谷くんと相田くんは仲がよかったりするのかな。
ふたりが話しているのを見たことはないけれど、それは私が今まで気にしたことがなかったからなのだろうか。

人気者同士でもその理由が違うふたりは、当たり前だけれど性格も違う。
桐谷くんと相田くんが仲良く話しているイメージがわかなくて、実際のふたりはどんな会話をするのか気になってきてしまった。


また今度、桐谷くんに聞いてみようかな。
そんなことを頭の片隅で考えながらバイトの時間を過ごした。