練習終わりにガレージを覗くと、そこには先に桐谷くんがいた。
「お疲れ。練習大変だったな」
「桐谷くんもお疲れ様。あっちゃんってほんとすごいよね」
ただ舞台が好きなだけかと思っていたけれど、知識もたくさん持っている彼女はとっても頼りになった。
やはり、好きこそものの上手なれといったところか。
いつものように彼の隣に座って、目の前の景色を見る。
とっくに日が暮れている空には星が瞬いてきれいだ。
「……ほんとによかったのか、人魚姫役やって」
「え?」
「いや、だってあんまやりたくなさそうだったし。昔のこととか、いろいろあんだろ」
「……桐谷くん、幼稚園のときのこと覚えてるの?」
「当たり前だろ。俺のことなんだと思ってんだよ」
驚いた。
いやたしかに、桐谷くんの反応を見るに覚えているのかもしれないとは思っていたけれど、まさか本当に忘れていなかったなんて。
遠い昔のことなんて、彼の実りある経験やキラキラした思い出によって薄れて消えてしまっていると思っていた。
でもそうではないなら、いやそうではなくても。
「お疲れ。練習大変だったな」
「桐谷くんもお疲れ様。あっちゃんってほんとすごいよね」
ただ舞台が好きなだけかと思っていたけれど、知識もたくさん持っている彼女はとっても頼りになった。
やはり、好きこそものの上手なれといったところか。
いつものように彼の隣に座って、目の前の景色を見る。
とっくに日が暮れている空には星が瞬いてきれいだ。
「……ほんとによかったのか、人魚姫役やって」
「え?」
「いや、だってあんまやりたくなさそうだったし。昔のこととか、いろいろあんだろ」
「……桐谷くん、幼稚園のときのこと覚えてるの?」
「当たり前だろ。俺のことなんだと思ってんだよ」
驚いた。
いやたしかに、桐谷くんの反応を見るに覚えているのかもしれないとは思っていたけれど、まさか本当に忘れていなかったなんて。
遠い昔のことなんて、彼の実りある経験やキラキラした思い出によって薄れて消えてしまっていると思っていた。
でもそうではないなら、いやそうではなくても。



