クリスティン様は聡明で美しくて、学園に彼女を信奉している男は多かったが、
不思議と騎士科には、そんな男はいなかった。

それよりも、俺はよく2学年下の婚約者のことを
言われた。


「領地経営科のマドンナが婚約者って、
どんな徳を積んだらなれるんだよ」

「皆狙ってたけど、お前が居るからあきらめ
たんだ」

シャルが男共に人気があるのは知らなかったが、
それは俺のプライドをくすぐった。

(俺は女神とは無理だけど、マドンナとは結婚
出来る
それも頼んで来たのはあっちだ)


愚かだったのだ。

望まれて婿入りするのだから、自分の方がシャルより立場が上だと、思い込んでいた。

だから、あえてその日が来るまで、皆が思う通りに進んでやるもんかと、思ったのだ。


高等部に進む時にも領地経営科に入りたくなくて (兄2人と同じ科など、まっぴらだった)
適当に耳障りのいい言葉を選んで、
シャルに言い聞かせて、協力させた。


シャルに対しては出来るだけ優しくはしたけど、
感情的になると八つ当たりした。