魅了の術が身体から抜けた日、王子殿下は自ら
望んで毒杯をあおられました。
王家の皆様はその日を静かに過ごされ、
王宮には半旗が掲げられました。
アーロン王子殿下の18歳のパーティーから、
わずか3か月後のことでした。


指輪の力で愛されたアン・ペロー嬢はご家族と 共に処刑されました。
魅了が発覚して2週間後の、裁判も開かれなかった早いご処分でした。

処刑日は周知されず、どちらで処刑が行われたのかも、わかりませんでした。
落とされたペロー嬢とご家族の首は1日だけ王宮前の広場で晒されました。

王太子を誘惑した魔女だと、石を投げつける者を牽制するように、ペロー家の首が並べられた一角の周りを囲んでいるのは第1の騎士達でした。


魅了の力がそうしたのかも知れませんが、
学園内でのあの方達はオーラに包まれていました。
幸せそうに微笑み合う皆様でした。
真実の愛と呼ばれるのも無理はない、
それはそれはまぶしい皆様でした……

王太子殿下の夢はこうして潰えたのでした。