「たかが気鬱、と簡単な病でないことは知られていますから
 その話を聞かれた皇妃陛下が貴女に接見したいと仰られたので、皇太子殿下が先に貴女の人と
なりを確かめたいと……
 貴女には失礼なことですが、やはりあの女と
同じカステードの女性なので、殿下も用心されていたのです」

想像さえしていなかった話の展開に言葉が出ませんでした。


「お茶、なんて……そんな理由で、あの……」

「元々はノーマンの話を聞く為だけに、殿下は
学院で貴女にお声をかけるつもりでしたが、
こう色々と貴女にお聞かせするとは……
私の方が驚いています」


私に対しての理由ではなく、実家のお陰で殿下に受け入れられたと、いう事でしたら。
エドガー様からも、このお茶会がおかしなものだと見えているのだったら。
この先のお誘いは、ご辞退させていただけたらと
思いました。


「次にお茶会を続けた理由ですが、
殿下に確認した話ではなく、あくまで私の推論でよろしければ……
 妹が殿下の事を、邪悪と言っているのはご存じですね?」

私は頷きました。