「その事なら、お答え出来ます
 秘密も何も有りませんから
 まず妹に替わってお茶会で会った理由ですが」

何を聞かれるのかと不審そうだったエドガー様の表情が明るくなられました。


「皇妃陛下の取り巻きというか、お遊び仲間の
伯爵夫人のご息女が、ご出産後に気鬱の病にかかられて」

いきなり皇妃陛下のお名前が出て、一瞬何の話をされているのか混乱しました。


「乳母を置いておられず、乳飲み子がいるので
薬は飲めぬ、と悩んでおられたら
ガルテンのお茶をいただいてから、その気鬱が
治ったそうです」

「父が皇家にお茶を献上したと、いうのでしょうか?」

そんな話はお父様から聞いたことも有りませんでした。
事実ならお母様が私に黙っていたとは、思えません。


「そんな大仰なものではなく、お知り合いの伝手で母親の伯爵夫人に渡された物なので、
もしかしたら貴女のお父上は、その事をご存じではないかもしれません」


気鬱の病が治まるガルテンのお茶?
領地の名産品等も学んでおりましたが、心当たりは有りません。