まぁ強いて言えば、俺は張り切りすぎて空回りしてしまうタイプだ。


 だから、バスの時間を間違えたり、水族館のイルカのショーで1番前で観てびしょ濡れになったりしたこともあった。


 今日だって、テレビで紹介されていた人気のカフェに行こうと思ったら定休日だったし。


 …でも、その度キミは笑ってくれた。


 それがあなたのいいとこだよ、って言ってくれた。


 …それならどこが。


 俺とキミは付き合って1年経つけど、喧嘩だってしたことない。


 いつもキミは笑っていた。


 …ダメだ、考えれば考える程わからない。


 それならやっぱり空回りのしすぎなのか。


 俺は彼女と別れたくない。


 でも、ここで『俺は別れたくない』なんて言うのは、なんかカッコ悪い。


 今まで空回りしてカッコ悪かったから、最後ぐらいはカッコよく終わろう。


 俺は頬を涙で濡らしながら、メッセージにある4文字を打ち込んで、彼女に送信した。