午後2時のカフェオレモーニング


 凛空は7時半にユリの家の前に着いた。まだ家の明かりは点いていない。
扉付近に付けられたセンサーで点く明かりは動くものの気配がなくなると消える。じっと動かずに暗闇の中で凛空はユリの帰りを待った。


 8時半、タクシーが家の前に停まった。
喪服を着たユリがタクシーから降りるのを凛空は家の扉の前から見ていた。

凛空が動いたのでセンサーで明かりが点いた。
それに気が付いてユリは驚いて家の扉を見た。

「凛空・・・どうしたの?」

「待ってた。・・・清め塩してあげる人がいないと困るでしょ・・・」

「フッ・・・凛空ったら・・・ありがとう。」

「はい、貸して・・・」

凛空はお返しに付いている塩の袋を開けてユリさんの身体にかけた。

「こういうのは知っているのね。」

「親が亡くなった時、葬式の後親戚の家に泊ることになって、そこのおばあちゃんが教えてくれた。」

「そう・・・」

「家に入ろう。」

「ええ・・・」

「ユリさん・・・お帰り。お疲れ様。」

「うん。」

「ちゃんとお別れ出来た?」

「出来たと思う。」

「よかった。あのね・・・ユリさん・・・俺・・・・・・帰ることになった。」

「・・・そうなんだ・・・仕事・・・入った?」

「うん・・・それで少し早くなった。今晩か明日の朝にはここを発つ。」

「・・・ねえ凛空・・・今晩はちょっとだけお酒付き合ってよ。」

「いいよ・・・」