隼人とは小さい頃から隣同士の家で生活していた。

両親同士仲が良くて行き来することなんてよくあることだった。

隼人とはずっと一緒だった。

そんな隼人に思春期を迎えた頃、恋愛感情を抱いていることに気がついた。

でも、私はその気持ちを抑えようと思った。

私たちは幼なじみ。

もし、振られてこの関係が崩れてしまったら………?

それがとても怖かった。

だから、抑えようと思ったのに…

出来る訳なんかなかった。

私たちは幼なじみ。

否応にも会ってしまう。

気づくと側にいてしまう。

そんな状況で抑えることなんて到底出来るわけがなかった。

むしろ、この気持ちは膨れ上がる一方だった。

「私ね、隼人君好きなんだ…」

部活を終え、いつものように陽菜と下校していると突然陽菜はこう口にした。

冗談かと思い…思いたくて陽菜を見ると照らされた夕日以上に頬を赤らめていた。

…本気なんだ。

すぐにそうわかった。

「がっ…頑張ってね!応援するから!」

口にした言葉は心とは裏腹だった。

…だって、言えるわけがなかった。

“私も隼人が好き”

陽菜は私の大切な大切な親友だから…

閉まっておくしかなかった…