こわれた私を拾ってくれたのは優しすぎる彼でした

「……あの……」

言いかけて、言葉が喉で止まった。

(玲奈ちゃんのこと……言うべき?)

でも、友達だと思っている。
 疑いたくない。
 それに、もし違ったら——

自分が最低だ。

「……なんでも、ないです」

そう言うと、楓は少しだけ眉を寄せた。

「無理に話さなくていいです。
 でも……あなたが苦しむなら、僕は聞きたい」

その言葉が胸に刺さる。
 どうしてこんなに優しいのか、わからなくなる。

(……どうして、こんなに優しいんだろう)

ふと、楓の手がベッドの端に置かれているのが見えた。

気づけば、その手に——
 そっと触れていた。

指先が触れた瞬間、
 胸の奥がじんわりと温かくなる。

楓は驚いたように目を瞬かせたが、
 すぐにその手を、そっと包み返してくれた。

その温かさが、
 言えなかった言葉の代わりに
 明莉の心を静かに支えていく。