こわれた私を拾ってくれたのは優しすぎる彼でした

明莉のスマホに届いていた通知。
 玲奈からのメッセージ。

《大丈夫?》
《気にしないでね》
《また話そうね》

優しい言葉。
 友達の顔。

だが、その裏にあるものを思うと、
 胸の奥がざわりと揺れた。

(……あなたは、何をしている)

明莉は疑わない。
 だからこそ、誰かが守らなければならない。

明莉の寝顔を見つめながら、楓は静かに息を吸った。

「……もう、見ているだけではいけない」

明莉は優しい。
 誰も責めない。
 自分を責める。

だからこそ、楓が動く必要がある。

真実を知るために。
 明莉を守るために。

「必ず……守ります。あなたがもう、傷つかないように」

その言葉は、病室の静けさに溶けていった。

そして楓は、ゆっくりと立ち上がった。

真実へ踏み込むために。

夜の病室の空気が、わずかに揺れた気がした。
 まるで、これから起こることを予感しているかのように。