こわれた私を拾ってくれたのは優しすぎる彼でした

楓はそっと、明莉の手を包み込んだ。

「わからなくていいんです。今は休んでください。
 全部……僕がいますから」

その言葉に、胸の奥がじんと熱くなる。

「……迷惑、かけてばかりで……」

「迷惑なんかじゃありません」

楓の声は強く、
 でも優しかった。

「あなたが無事で……
 それだけで十分です」

その言葉に、涙がこぼれた。

まぶたがまた重くなっていく。

「楓さん……」

「はい」

「……ありがとう、ございます……」

その言葉を最後に、意識は静かに沈んでいった。

眠りに落ちる直前、
 楓がそっと手を握り返してくれた気がした。

その温かさだけが、
 暗闇の中で確かに残った。