こわれた私を拾ってくれたのは優しすぎる彼でした

——私は、ずっと怖かった。

大切なものを失うたびに、 自分の心まで壊れてしまう気がして、
 未来なんて考えられなかった。

あの日、すべてを失ったと思った。
 世界の色が消えて、 呼吸の仕方さえわからなくなって、
 ただ、暗闇の中で立ち尽くしていた。

でも——
 手を伸ばしてくれた人がいた。

楓。
 あなたが私を見つけてくれた。
 私の弱さも、痛みも、全部抱きしめてくれた。

あなたの家族も、
 私の母も、
 みんなが私を“家族”として迎えてくれた。

そして今、
 私の腕の中には、小さな命が眠っている。

佑輔。
 あなたは、私の未来そのものだよ。
 あなたが生まれてきてくれた瞬間、
 私はようやく——
 “生きていていいんだ”って思えた。

喪失から始まった私の物語は、
 悲しみの中で何度も揺れながら、
 それでも前へ進んできた。

もう、過去に縛られない。
 もう、ひとりで泣かない。

私は、未来へ歩いていく。
 楓と、佑輔と、
 私たちの家族と一緒に。

——光は、いつだって前にある。

その言葉を胸に抱きしめながら、
 私は今日も、未来へ手を伸ばす。