俺と、悪いことしちゃおっか?



私は自分が傷つきたくなくて、先輩から離れたけれど。

やっぱり私は……今でも先輩のことが好きだ。


「……はいっ。でも、私でいいんですか?」


「うん。俺は、咲奈ちゃんがいい。ていうか、咲奈ちゃんしかダメなの」


「ありがとうございます。私も……好きです、先輩」


「俺も。好きだよ、咲奈ちゃん」


クスッと笑った先輩が、目尻の涙を指で優しく拭ってくれる。


「両想いになったんだから、咲奈ちゃん。そんなところにいないで。もっと、こっちに来てよ」


近づいた先輩の手が私の腰に回ってきて、引き寄せられる。


「ねぇ、咲奈ちゃん。俺と、悪いことしちゃおっか?」


「えっ?」


「今からふたりでちょっとだけ、悪いことしよ?」