階段を勢いよく駆け下りていく。 シンプルだけれど贅沢に布を使ったスカートが、空気を含んでフンワリと広がった。 「待って下さい!」 「リティリア、危ないぞ!?」 階下でマントの留め具を止めようとしていた騎士団長様が、転がるように降りていく私を見て軽く目を見開いた。 そのまま、最期の三段を飛び降りて騎士団長様に飛び込む。 私を抱き留めようと騎士団長様が留め具から手を離した。マントがバサリと音を立てて床に落ちる。 思ったよりも、騎士団のマントは重いのだ。