(……朝から破壊力が強過ぎる!)
王国の鬼騎士団長と呼ばれている騎士団長様が、こんなに可愛いなんて知ったなら、きっと騎士たちは、驚きすぎてみんな剣を取り落としてしまうだろう。
「はあ……。そんなに見つめないでくれ」
「んっ……」
抱きしめられたまま口づけされて、もしかして婚約者なのだからいよいよ……と覚悟を決めたとき、扉を叩く音がする。
「……くっ、陛下への忠誠が揺らぎかけるな」
「えっ」
「……冗談だ」
たぶん冗談ではないのだろう。一瞬、真顔だったのだから。
「すまない、まだ要人が帰らなくてな。早朝から護衛任務継続だ」


