「……ただいま、アーサー様」
「……お帰り、リティリア」
「でも、歩けるので降ろしてください」
「これを今回頑張った褒美にしてくれないか」

 そう言われてしまえば、お断りなどできるはずがない。

「帰ろう、俺たちの家に」
「はい!!」

 私は、たくましいその首元に腕を回し、クマのぬいぐるみを挟んで周囲の視線から隠れるようにその首筋に顔を埋めた。
 抱き上げられたままの帰り道は、恥ずかしくて、幸せで、頬がにやけてしまうほど幸せだった。