「は……。決まっているだろう。シルヴァ殿を助けようとしている」
「は? どんな代償を払うことになるかわからない! ヴィランド卿は、リティリアをこれからも」

 あまりにも美しく七色に輝いているカクテルグラスを星の光に掲げ、騎士団長様はひと息にそれを煽った。

「……幻覚とは思えないほど、精巧だな」
「本物だ」
「そうか、余裕があるじゃないか」
「……皮肉かな?」
「……いや。シルヴァ殿の覚悟は、理解している」
「それなら、もう……」
「だが、シルヴァ殿に、戦場で命を助けられたこと星の数ほど。まさか、見捨てるわけにもいくまい」