「……これは」 「うん、お揃いがいいと言っていただろう?」 「……確かに言いましたが」 残りの箱を開ける元気はない。 開けるのは、取りあえず、お揃いというものを騎士団長様に理解してもらってからだと私は、心に決めた。 二つの宝石は、あの日もらった銀の薔薇が入っている宝箱に大切にしまい込む。 「このあとのご予定は?」 「いや、今日は仕事は終えてきたが」 「出掛けましょう!」 「ん?」 贈り物の山を残して、騎士団長様の手を引く。 お揃いとは何かを知ってもらうために。