寝起きの目元をゴシゴシこすりながら起き上がった視線の先には、騎士団長様の頭の上で怒ったように飛び回る妖精。
キラキラとこぼれ落ちる金色の粉は、惚れ薬や空を飛ぶための薬の原料になる。
魔女様が見たら夢中になって魔法の小瓶に詰めるに違いない。
その粉が、騎士団長様の頭に降り積もり、しばらくすると淡雪のように消えていく。
「……何故か、妖精が怒っている気がするのは気のせい? その割に仲がよさそうにも見えるし」
騎士団長様が、何故か魔力を与えようとして、弾かれている。
騎士団長様の銀色の魔力。
私だったら、私の魔力よりもよほど欲しいけれど、妖精にとっては違うようだ。
「ん、起きたのか」
「アーサー様……」


