【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?


「ふふ。手加減してください。ただ」
「ただ?」
「騎士団長様の隣に立つために、ふさわしいものが欲しいです」
「……俺の隣に? それならば、何一つなくても問題ないが……。そうだな、最高の品物を贈ろう」
「それは、お揃いですか?」
「……はぁ、可愛すぎるだろう」

 騎士団長様の贈り物なんて、それだけで嬉しいけれど、もしもお揃いのものを一緒に身につけられたなら、信じられないくらい幸せに違いない。

 なぜかため息をついた、少し冷たい大きな手が、私の熱を帯びた手をそっと包み込む。

「君が望むなら、何だって」
「ふふ、大げさです」
「それは、どうかな」

 けれど、私はこのとき認識していなかったのだ。
 王国の英雄である騎士団長様の財力も、私から許しを得てしまった騎士団長様の本気も。