確かに、魔女は異質な存在だ。
 けれど、人々の生活は、不思議な素材や魔法薬を提供してくれる魔女の存在なしには成り立たない。
 それなのに……。しかも、私の魔力は、魔女と言うにはあまりにも貧弱だ。

「リティリアが、魔女であると?」
「その紫色の瞳が証拠だ。紫の瞳は、魔女の証拠だろう?」

 確かに、私の知っている魔女様の瞳は、美しいアメジスト色をしている。

「捕らえよ」
「――――はあ。では、こちらも」

 淡いグリーンの瞳を一瞬だけ閉じた騎士団長様が、パチンと指先をならす。
 途端に、会場中を吹雪のように白い紙が舞い散った。