踊り終わったとき、会場がざわめいた。 私の目の前には、王弟殿下がいる。 そして、騎士に囲まれた。 制服からして、王族の直属部隊なのだろう。 私のことを騎士団長様が背中にかばった。 「――――殿下、どういうことでしょうか」 「……魔女、そして魔女と内通している騎士団長を断罪しようと思ってな」 会場の端には、かつての婚約者ギリアム・ウィアー子爵令息、そしてピエーラ・ジュリアス男爵令嬢の姿が見える。 「……魔女、ですか」 会場に、低く冷たい騎士団長様の言葉が響き渡る。