【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?


 魔力は実は有限だ。もちろん人によって、一生に使える量に違いはあるけれど……。

 時空魔法の使い手は少なくて、有用すぎるその力を利用され魔力を使い切った人もいれば、大きすぎるその力に飲まれてしまった人もいるという。

「ほら、めでたい君たちの婚約をお披露目する夜に、そんな顔をしないで?」
「……シルヴァ様は」

 妖精の力を使えば、オーナーの魔力をコントロールすることも、枯渇する前に渡すことも出来る。
 でも、それは根本的な解決にはならない。
 魔法を使わない以外に、本当の解決法はない。

「踊ろうか」
「え?」
「婚約を発表したら、さすがに俺と踊る機会なんてないだろう。そうだな、今まで助けたことも、助けられたこともそれで全て終わりだ」